藝大時代にお世話になった坂本一道先生が、この夏に亡くなられた。目白の画廊で先生の展覧会が開催された。
空がテーマの展覧会は明るいブルーで彩られ、部屋の片隅に先生の近影が飾られている。
うっすらとした透明なタッチがあたたかい作品。展覧会では、ゆっくりと先生の晩年の作品を拝見。。
最近、坂本先生のトロンプルイユのようは静物画を手に入れる機会に恵まれた。この展覧会のようは抽象的な表現にシフトされる以前の美しい褐色の地塗りで構成された作品、我が家の玄関に鎮座している。
古典を学んだ研究室時代、私の混乱した思考を坂本先生によく整理していただいたものだ。いろいろな影響を受けた大切な先生だった。また修復についても、絵をよく理解し、追求することが適切な処置につながると導かれた思いがある。この優しい青緑色が、画家として過ごされた晩年の先生の姿を彷彿とさせる。穏やかな巨匠の最晩年作。坂本一道展 gallery アスクエアにて。
